仮想軍隊クラフトフェルト

活動報告や製作記事などなど

2000年10月

百式放射器

   今、市販されているエアガンのショットガンって、なんで3発程度しか弾が出ないんでしょうね? これが10発でも弾が出れば、ウチの隊でも採用を考えるのに、、、というのが、百式放射器のそもそもの発想しでした。

   飛距離はそれほどなくていい、とにかく、ドバッと弾が出る兵器が作れないものか、という訳で、クラフトフェルト造兵廠東尾久工廠が開発したのがこの百式放射器です。

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   特徴は、、まず見た目は米軍の火炎放射器です。つーか、これ、第二次大戦時の物をモデルにしたみたいなんですが、火炎放射器って現用はどんな奴を使ってるんでしょうね?(資料募集します)

   構造は、説明を受けたのですが、メカに弱いのでよう判りません。どうやら、何かの中古のガスハンドガンのマガジンを流用していた様です。

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百式放射器のタンク部分
実際の火焔放射器はもっと大きなタンクを背負うが
ここら辺はサバイバルゲーム用の兵器である


   背中にタンク(ちっちゃ!!!)を背負って、弾は自重落下式でチューブを伝って放射器の方に流れ込んでいく構造になってる様です。

   完成したのは、2000年の8月頃だったと思います。赤城オフロードパークで開催された第3回二四時間戦に装備していきましたが、射程が極端に短いので野戦では何の役にも立たない事が確認されました。

   しかーし、その翌月に行われた佐野タクティスでの市街戦での近接戦闘では大いに威力を発揮したとの事でした。例えば、階下の遮蔽物から出たり入ったりする敵や、階段を駆け上がってきた敵などは、放射範囲が広い為、敵に逃げ場を与える事なく、これを阻止する事が出来た。
   また、室内や壁などの跳弾する要素をもつ構造物がある場所でも、放射器は有効な能力を発揮した。しかも、目一杯実包をぶつけられる割には、初速が極めて低い(実質的には、実包を手で投げていると代わらないから)為、人体へのダメージはほとんど無く、文句言われるどころか却って喜ばれたり(そりゃ、こんな奇天烈な兵器でやられたら笑ってしまう)くらいで、なかなかに役に立ち、面白い兵器でした。
   どうやら、階段の踊り場とかにいる敵兵にぶっ放したりしてたみたいです。「アレに狙われたら逃げ場がない」と敵兵さん達からも上々の評価でした。狭いとこならそれほど射程はいりませんし、網を投げつける様に弾をばらまかれたら、確かに逃げ場はないのかもしれません。

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百式放射器を発射した瞬間
目標に目掛けて、多数の実包が放射される様子が見える
(実際に使う時は、補佐の兵隊は付きません)


   こうして、一気に伝説となった百式放射器ですが、この日以来、市街戦(インドア戦のウチの隊での呼び方)に行ってませんので、新しい伝説は作らずしまいです。

   目下、クラフト技研では、放射器の射程の伸長と放射弾数の拡充、そして見るからに小さいタンクを何とかリアルサイズにする事を目指して、百式放射器の改良に取りかかっていますが、何と言っても、市街戦をやってないので、身の入らない事、この上なしの状態です。

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寒冷地用戦闘口糧

2000年10月8日:佐野タクティス

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一生の内で、食えたらラッキー?
 
   米軍のMREレーションは、我が隊の遠征用の戦闘口糧として採用されている。ところでこのMREレーション、普通の物はレトルトパックであるが、何と完全フリーズドライ(乾燥食品)の物が存在する、あるいは、したのである。それは、レーションフリークの間では「まぼろし」「激レア」などの形容詞を付けて呼ぶ、「RATION, COLD WEATHER=寒冷地用MRE」である!
   我が隊では、数年前に、たまたま御用達の軍装店でこれを発見した時に、2箱これを購入したのであるが、有効期限2年を前に、これを試食してみようという事になり、内1箱が今回、試食の名乗りを上げた勇士達に開放される事になったのだ。 

*寒冷地用戦闘口糧の概要
   何と言っても、寒冷地用戦闘口糧は、まったくと言って良いほど、市場に出回らない激レアアイテムである。従って、判らない事が多い。判っている事と言えば、製造年と箱の形状から、製造されていたのは90年代前半である事、マウンテンハウスの様なお湯を掛けて戻すタイプのフリーズドライ食品である、という事くらいなもの。その為、戦闘口糧のベテランであるクラフトフェルトの古兵も、初めてレーション食った時の様に、ワックワクしながら開封したのであった。  

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ドキドキしながら箱を開封するO兵長
すると、出てきたのは、真っ白けの戦闘口糧
寒冷地用という位だから
雪の積もった戦場で食う事を想定してか
パッケージまで保護色なのだ
しかし、雪の上に落としたら、判らなくなったりして

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 この戦闘口糧、全部で12個入っているのだが
2個ずつゴムバンドで留めてあった
よく見ると、番号は同じでAとBに分かれている
メニューを読んでみると
どうやら片っ方が朝食で、もう一方が昼メシか晩メシの様だ
そこで、1セットずつ分配する事にした

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激レアアイテムを受け取って大はしゃぎの勇士たち
左から、クラフトフェルトのS二等兵、N二等兵、O兵長
わがまま突撃隊のS本隊長
DHCのN山君とI井君。全員、命知らずである
(アホという説もある) 

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さっそく封を切るわがまま突撃隊のサカモト隊長
今回の企画、実はこの人が一番ノリノリで
絶対食うと息巻いていた
MREはハサミやナイフが無くても開けれる様に
上下に切り込みが付けてあるが
開けるにはかなり力を入れなければならないので
やはり刃物で切った方が良い 

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開けてビックリ
中から出てきたのは、これまた白装束のパック群
何でもかんでも白い様である
内容は結構豊富で
Aパックの方は、インスタントのオートミールを中心に
ナッツ、粉末紅茶、オートミールバーなど
Bパックの方は、主食パックを中心に
アクセサリーパケット、粉末ジュース
チョコレートやクッキーのバー、クラッカーなどなど
フリーズドライなので、通常のMREよりも重量が軽い様である

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昼メシ用の主食パックを開けてみる

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出てきたのは、セロハンで密封された乾燥食品
いかにも怪しい感じである

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 ボール紙がくっつけてあって、
セロハンを解すとボール紙が底になる
キャンティンカップ半分のお湯で戻して食べる

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これは朝食用に入っている、インスタント・オートミール
ブラウンシュガー&メイプル味とアップル&シナモン味の二種類がある
アメリカ人というのは、朝食には必ずオートミールを食うのか
朝食用の主食パックは全部これだった

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そんでもって、これがその中身
オートミールというのは、圧搾大麦の事であるが
どっから見ても「鳥のエサ」である
これもお湯で戻して食べるのだが
外見は確実に食欲を損なわせるものがある
どうせなら、このまま食べた方が、まだ良いかもしれない

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こちらはチョコレート・クッキー。これは普通のMREものと同じ
ただ、製造から8年を過ぎているせいか
味がちょっと埃臭くなっていた。でもそれなりに美味しい
これなら氷点下でも口の中で溶かして食えるかもしれない 

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これはナッツ・アンド・レーズン。朝飯用に全部入っていた
味は悪くないが、中の臭いが冷蔵庫みたいで、余り良ろしくない
一気に全部食える代物ではないので
バックパッキングの行動食と同じ様に
ヒマな時にポリポリやるんだろう

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これはビバレッジパウダー。オレンジとアップルサイダーを確認
湯飲みに入れると、モハモハと粉煙が上がって気味悪いが
充分飲料に耐えた。まぁ、この手は美味しいので安心である

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 寒冷地用戦闘口糧の特徴は、どういう訳か、飲み物系が多かった事
これはレモンティーの粉末
お湯を注いで飲んだが、説明書きには水でも飲めると書いてあった
お味の方は、一番旨かった


ご試食

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まず市場に出ない寒冷地用戦闘口糧
それだけに伝説は多く
味に関しては「鳥のエサ」と定評で
試食の勇士達も覚悟を決めていたのだが、、

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実際に目の当たりにしてみれば、それほど悪い物でもなく
予想よりも美味。みんな旨い旨いと大喜びであった
ところが・・

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今回一番楽しみにしてたS本隊長
彼がとったのは4番。
の昼メシはチキン・アラ・キング・ウィズ・ヌードル
しかし、一口食ったS本隊長
「これ、ちょっとニガテかなぁ」

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想像以上にチリ・ビーンズが旨かったO兵長
隊長タニーの命令で試食
「え~、どれどれ」

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「うっ」

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「おえぇぇ~」


   他の主食パックは問題なかったのであるが、このチキン・アラ・キング・ウィズ・ヌードルだけはどういう訳か、まともではなかった。どんな味がしたかと言うと、証言によってまちまち(連帯責任で全員食った)であるが、「古紙」「インク」「古々米」「埃臭い」「苦い」と尋常でない味がしたのである。明らかに変質してて食えないのであるが、なぜこれだけダメなのか、その原因は不明である。あまりの不味さに、「サカモト家の恐怖」として伝説化した。 


食後:総論
   確かに、見た目の悪い食い物であった。いくら軍用とはいえど、もう少しビジュアル面での改善が出来ないものであろうか。しかし、戦場では贅沢は言えないのだろうから、そうした状況で食うと考えれば、そうそうマズイものでは無かった。確かに、食文化の違う我々にとって、インスタント・オートミールは強烈であったが、それでも食えない訳ではなかった。ただ、食い終わった感想としては、通常のMREよりも量が多い様な感じがした。一応、お湯で戻しているのだが、腹の中でさらに膨らむのかもしれない。
   味、外観は、90年代前半のフリーズドライ食品に通するものがあり、その意味では最新技術の粋を極めた口糧であると言える。もっとも、その後市場に出回らないという事は、今は生産されていない可能性がある。アメリカ軍が戦争を想定する地域としては、極寒地は含まれていないのかもしれない。
   まぁ、スッタモンダの試食会であったが、結果は概ね良好で、激レアアイテムの面目躍如という所である。恐らく、二度と食う機会はないと思うが(我が隊にはあと一箱在庫があるが、本官はご馳走様である)、いい経験したものである。

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おまけ
   今回、新たに部隊装備に付け加えられたのが、この百式球形湯沸器(やかん)である。これまでの夏季では、如何に冷水を供給するかが、将兵の士気を維持する上で課題であったが、これからの冬季においてはその逆に、如何に温かい物を供給するかが課題になる。従前では、湯沸かしは各々各自が自前で用意していたのだが、さすがに人の分までは沸かしてやる気にはなかなかなれないもので、しかも大量に沸かす用意は個人ではやりにくい事から、部隊装備充実の一貫として、これが購入されたのだ。ちなみに、薬缶の下に見えるのは、設営隊装備の百式焜炉(米海兵隊採用のコールマン・ピーク1ポケットストーブ)である。

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   ところで、この薬缶、実は想像に反して高価な製品で、我が隊が採用した物は4リットル用であるが、税込で5230円もする。滑稽な格好をしているからといって、決してバカに出来ない値段だ。これが普通のケトルなら、同じ容量の物が二つ買えてお釣りが来る値段なのである。どうしてそんなに高価なのかというと、今国内で薬缶を製造しているメーカーは一つしかなくて、いわば独占企業である事と、実はあまり売れてないらしく、必然的に値段が高くなる傾向にありそうだ、という事である。
   同じ湯沸かしなら、安い方が良いのでは、という意見を持たれる読者も居られるだろう。しかし、旧軍精神を受け継ぐ我々としては、兵器装具は兎も角として、こうした小物に関しては、やはり日本人の心を表象するスタイルの物の方が気持ちが良く、少々高くともトラディッショナルなデザインの物を買おう、という事で衆議一決したのだ。そう言えば、このデザイン、何とも言えない「味」がある様に見えないだろうか??




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