装備を車両に積み込んだら
2006年03月
装備を車両に積み込んだら
いつもより1時間ばかり出発時間を遅らせて
クラフトフェルトで行われている礼式、戦技は、基本的にアメリカ海兵隊に範を求めています。ただし、名称、号令は日本語を使用しています。また、細部や不明な点はクラフトフェルト独自の解釈を付け加えている部分もありまし、敢えてその様にしている部分もあります。
徒手軍装
完全軍装
「徒手」というのは、兵器や装具を帯びない状態を指します。不動の姿勢、挙手の礼、方向転換など、軍人らしい動作の基本は徒手教練で身につけます。
基本動作
「不動の姿勢」というのは、一般には「直立不動」と呼ばれる姿勢で、軍人として最も基本的な姿勢です。「気を付け」の号令で一斉にとります。
要領は、「気を付け」の号令が掛かったら、
- 踵を合わせ、足を45度に開く。
- 胸を張り、あごを引いて、視線を受礼者に向ける。
- 腕は自然に下ろし、手は親指を出して自然に軽く握る。
を一挙動で行います。
「休め」の号令で、足を肩幅の広さに開き、手は背中に回して腰で組みます。この時、手は右手が左手の上に来る様にします。
休めの姿勢は厳密には休んだ姿勢ではありません。訓話は状況説明が長くなる時は、指揮官が「楽にしてよろしい」と声を掛けます。この時は、立ったまま楽な姿勢を各自取ります。
方向転換
「方向転換」は軸足を中心に体の向きを変える要領です。クラフトフェルトでは「右向け右」「左向け左」「回れ右」を行っています。方向転換を行うのは、横列に整列している状態から、縦列に整列しなおす場合が多く、体がふらつかない様、しっかり練習します。
「右向け右」「左向け左」は、足のつま先と踵を軸にして一気に回る方向転換の要領です。例として「右向け右」の要領を説明すると、以下の通りです。(「左向け左」は逆の要領) 号令と同時に、
- 右足は踵、左足はつま先を軸として、一気に右に90度、体を回す。
- 体が反転したら、左足を前に引いて、踵を揃えて不動の姿勢を取る。
踵とつま先を軸にする時、逆の踵とつま先は軽く地面から浮かすと回転がし易いです。また、体を反転させる時、顔は正面を向いたまま、先に反転する方向に向けない事。ただし、反転する方向に体を向けようと意識しないと、中途半端な位置で体が止まってしまうので、注意して行う事が肝心です。
「回れ右」は体を180度回転させる方向転換の要領です。
- 右足を半歩下げ、右足のつま先と左足のつま先を軸に、一気に体を回転させる。
- 左足を前に引き、踵を合わせて不動の姿勢を取る。
右足を下げる際、左足の踵の後ろに右足のつま先が来る様に注意する。そうでないと180度回転する事が出来ません。また、体を反転させる際は、体がふらつかない事と、きっちり180度回れる様に注意します。
挙手の礼
「挙手の礼」は最も基本的な敬礼で、徒手の他に、執銃時でも「下げ銃」や「吊れ銃」で行います。
動作の要領は、号令で瞬時に挙手し、手首と指を伸ばして手はやや前に倒し気味にし、指先を帽のつばに沿える。肘の角度は45度とし、上腕は水平とする。動作は俊敏に行い、ダラダラしない事。
敬礼は、下級者が先に上級者に対して敬礼し、それを受けて上級者が返礼し、上級者が手を下ろしてから下級者が手を下ろす、という順序で行います。また、「敬礼」の号令が掛かってから、「直れ」の号令が掛かるまで、挙手を続けなければなりません。
ただし、戦闘間は敬礼は省略する事となっています。
執銃時の整列の基本姿勢は、「下げ銃」つまりタクティカル・スリングを使う要領で、銃を下向きに下げる姿勢です。その後、状況に応じて(もっぱら、捧げ銃の敬礼を行う場合など)、「立て銃」つまり銃を肩から外して、地面に立てる姿勢になります。
小銃を肩に担ぐ「担え銃」の姿勢は、整列から行進に移る前の姿勢です。行進が終わって整列する時は、「立て銃」の号令が掛かります。
「吊れ銃」はタクティカル・スリングの3本のスリングをまとめて持ち、2点式のスリングと同様にし、銃を上向きにして肩に吊す姿勢です。式典時の不動の姿勢、ならび行進時にも「吊れ銃」を行う事があります。
ある不動の姿勢から別の不動の姿勢に移行する動作を、クラフトフェルトでは「執銃動作」と呼んでいます。執銃動作で大切なのは、動作を素早く確実に行い、かつ他の隊員と動作を合わせる事です。下の写真は、それぞれの動作の「止め」の場面で、挙動と止めのタイミングを充分に練習し、メリハリのある動作が出来る様に教練します。
下げ銃から立て銃
立て銃から担え銃
立て銃から吊れ銃
立て銃から下げ銃
「据銃(きょじゅう)」とは、銃を構える、の意味です。正確な照準のため、如何なる状況、姿勢でも素早く正しい据銃が行える様に訓練します。
通常、軍隊では、伏せ撃ち、膝撃ち、立ち撃ちの順で低い姿勢の方が安定した据銃ができ、かつ遮蔽にも有効としていますが、クラフトフェルトではサバイバルゲームの特性上、立て撃ちを基本の据銃姿勢としています。
*据銃の基本
以下の要領は、射撃の毎に反動がある実銃での据銃の要領ですが、エアガンでも反動がないだけで基本は同じですので、この要領でしっかり練習しておくと、射撃が安定します。
立射
- 約85度右に向きながら、左足を前方へ約半歩踏み出す。
- 号令で、一気に据銃する。
その際の要点は、
- 床尾板を右肩の窪みに当てる事、
- 右ほおを自然に銃床につけ両肩は水平にする事、
- 右ひじは肩の高さに上げる、
- 左手は出来るだけ銃の真下近くに持っていく、
- 体重は両足に均等に掛けて両足は肩幅より広く開ける、
膝射
- 第一挙動で左足を半歩前に踏み出し、右足を左後ろに引く。
- 第二挙動でそのまま上体を下げて右ひざを地面に着け、尻を右かかとの上に載せる。
膝射の姿勢の要点は、
- 右足は照準線に約80~90度開きてつま先は立てる、
- 左足は地面に平らに置き前方から見て垂直になる様にし、足先は目標を向ける、
- 体重は左足に多く掛ける。
- 号令で、一気に据銃する。
その際の要点は、
- 左ひじを左ひざに置き、据銃の姿勢を安定させる。他は立射と同じ。
クラフトフェルトでは、リアルな戦闘を楽しむ為に、50発装弾のノーマルマガジンを使用しています。その関係で、素早く確実なマガジンチェンジの要領を身につける事になっています。弾倉交換は慣れないと、弾倉をポーチから出し入れするのに手間取ったり、撃ち殻のマガジンを落としたりするなど、もたつく事が多いものです。そうした不具合を極力なくすよう、日頃から訓練します。
〈弾倉を弾嚢に入れる向き〉
マガジンは上下を逆さまにして、正面から見て「く」の逆向きに、マガジンポーチに納めます。これは、弾倉交換を行う際に、マガジンの下を持って銃からマガジンを外し、手首を返して上を下にしてポーチに納めるため、この様な納め方をします。
ちなみにクラフトフェルトでは、マグプルやパラコードを用いたクイックプルといった特殊部隊御用達の横着な小道具は使用しません。その代わり、マガジンポーチの底に固めのウレタンのブロックを入れ、上げ底にしてマガジンをつかみ易くします。(実物のマガジンより、マルイのマガジンは背が低いため、上げ底にしないとポーチにすっぽり入ってしまう)
〈2本目の弾倉の入れ方〉
撃ち殻のマガジンはマガジンポーチに納める訳ですが、その時、ポーチにすでに1本マガジンが入っている時は、既に入っているマガジンと体の間に、撃ち殻のマガジンを入れる様にします。既に入っているマガジンの外側に入れようとして、ポーチに引っ掛かって入らないので、注意が必要です。
弾倉交換要領
据銃を外してマガジンポーチからからマガジンを取り出す。なるべく視線を目標から外さないよう、手元を見なくても交換できるように練習するとベター。
取り出したマガジンは親指と人差し指、中指で持ち落とさない様に注意する。その状態で、薬指と小指、親指の付け根で銃のマガジンの下をつかむ。
マガジンキャッチを押して銃のマガジンを引き抜き、手首を返して替えのマガジンを挿入する。撃ち殻のマガジンを取り落とさない様に注意。
撃ち殻のマガジンをポーチに納める。この時、ポーチの中にマガジンが入っていた場合は、マガジンと体の間に撃ち殻を入れる様にするとスムーズに入る。
レッグプラットホームとダンプポーチの活用
マリーンでもレッグプラットホームに3連のブラックホークのマガジンポーチを付けて使用していますが、この足の弾倉は立った時よりも伏せている時の方が使い勝手が良いです。どちらからというと、予備の弾倉です。
TAGのダンプポーチもマリーンで良く使われています。ブラックホークのマガジンポーチはゴムバンドでマガジンを締める構造になっている関係で、ポーチに撃ち殻のマガジンを入れにくいのですが、ダンプポーチに撃ち殻を放り込む事で素早い弾倉交換が可能です。
サバイバルゲームで、いきなり位置不明の敵から銃撃を受ける事は珍しい事ではありません。敵からの銃撃を受けた時に、直ぐにやらねばならない事は、自分の身を遮蔽する事です。しかし、身近に地物がない場合もままあり、その場合は直ぐさま地面に伏せる必要があります。
クラフトフェルトでは、前進と伏せを交互に繰り返し、直ぐさま地面に伏せる要領と、素早く立ち上がって前進する要領を訓練します。
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